現代を生きるうえで知っておきたい、たった1つのこと

時間に余裕のない現代人のために最初に結論を記します。

たった一つのこと、それは、文明社会を作り上げているのは、富の収奪を目指したわずかな人びとの悪知恵だということです。
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マスコミは、ことあるごとに一致団結して報道の方向性をそろえ、まっとうな反論があってもそれを無視して、おそらくは誤っているであろう情報を流し続けています。

小泉純一郎を持ち上げてみたかと思うと小沢一郎や鈴木宗男を叩く。
同じ映像を繰り返し使って、世論を作り上げていく。

そんな形になるようにマスコミを作り上げたのは、マスコミの利用価値を認めた人々です。
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学校教育にしても同様です。未開社会の話を読むと、いかに学校教育が早期導入されて、伝統社会を否定し、文明社会の価値観を植え付けようとしているかがわかります。日本でも、明治になってから、そして戦後になってから、この学校教育の力が利用されました。

否定される伝統社会のほうは、生命という本来的に不合理で、争いや限界の避けられない存在を前提として、何とかそうしたせめぎ合いと向き合う中で作り上げられた価値観に基づいていました。教え込まれる価値観のほうは、そんな現実を捻じ曲げて、誰もが報われ、協力できる理想的な社会を実現できるのだという前提に立った、非現実的な価値観です。そうした価値観を与えておけば、悪賢い人々は、伝統社会を破壊して権力や資産を奪いとることができるだけでなく、大衆を操作することも簡単になるのです。
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なぜ国連には常任理事国などというものがあり、戦争の責任をとるべき国々が名を連ねているのでしょう。

なぜ明治以来ずっと、西洋諸国は日本に不平等な条約を押し付けてくるのでしょう。

ハワイが併合されたのは移民を受け入れたからでしょう。なぜそんなことが起きるのでしょうか。
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社会の進歩、自己実現、新しい時代などという言葉に騙されてはいけません。そうした言葉を使って狙われているのは、労働者としての価値を高め、消費者としての購買力を高めて、文明の命ずるままに生きる人々を作り上げることなのですから。そうしてできあがった人々は、より多くの富を、悪知恵に長けたほんの一握りの人々にもたらしてくれるのです。
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局所的な見方をしてはいけません。
風に舞って遊ぶ烏たちの楽しみを文明人は奪われてしまっています。
動物と人の中に同じ心を見て、動物と同じように生きることが当たり前であるとそのまま感じることのできた先祖たちの心を文明人は持てなくなってしまっています。
身近にたくさんの生命が溢れ、たくさんの死を目にしながら生きていたときの、死との近さを私たちは失っています。

そういう方向へと動かすことが、悪賢い人たちに利益をもたらすからです。
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