「千島学説入門―生命発生からガン治療まで」忰山 紀一(地湧社 1983年9月)

血液は小腸で作られる

→目次など


血液は脊髄ではなく腸で作られるとする千島喜久男氏の理論に基づく本です。

最初は、「そんなはずがない」と一笑に付していた私でしたが、読み始めたところその説得力、合理性に引きこまれ、一気に読んでしまいました。
一読をお勧めします。

たとえば、次のような事実があります。
・ハゲや白髪は血液を健康にすることで改善される
・自然食を続けることで性欲が老年になっても維持される
・瀉血という治療方法が世界各地に昔から存在している
・骨髄は脂肪で満たされており、造血には適さない
・小腸の働きが感情や性格に大きく影響している

このような事実をよりよく説明できるのは、骨髄造血説ではなく、小腸造血説や赤血球分化説という千島学説による説明です。

本書は、権威のある組織が採用している科学的な内容であっても、うのみにしてはいけないということを知るために有用であり、 生物の仕組みに関する新しい一つの見方を得るためにも有用です。

2019/3/19追記

宇宙の調査が進むにつれて、火星、木星の衛星、小惑星上など、それまで考えられていたよりも広い範囲に生命活動らしい現象が確認されました。このことは、それらの生命が個別に誕生したのではなく、胞子や種子のように、それらの場所に流れついた可能性の高さを示しているように思われます。そうした生命誕生の可能性を探った本が『彗星パンスペルミア』です。脆く、はかない存在だとばかり思っていた生命が、実は、自己複製能力を維持したままではるか宇宙空間を旅することのできる極めてタフな存在であるかもしれないという、価値観の転換を与えてくれる本です。