「ライオンはかせのはなやさん」大型本 – かつらこ (著) 2010/2/11 1月(‎ BL出版 )

種から育てた鉢植えのタンポポをうさぎくんからもらったライオンはかせ。いいことを思いつきますがとんでもない結果に。

小さい子ども向けの絵本ですが、遺伝子組み換えによる植物の作り替えに対して、「それはいいことではないよね」という理由がなんとなく感じ取られるようなストーリーが描かれています。遺伝子組み換えという言葉は出てきません。

作者は1974年生まれ。私より8歳ほど若いかたです。私が子どもの頃に触れていた絵本のタッチと似た印象を受けるタッチで描かれているのは、そんなに私と年齢が離れていないせいかもしれません。ストーリーとよくなじむ絵柄です。

私は岐阜の山奥で育ちましたので草花を見ることは好きなほうなのですが、最近はホームセンターに行っても花屋さんに行っても、あまりにも人工的な草花ばかりでうんざりしてしまいます。ホームセンターばかりでなく、道路や公園の花壇に植えられているのも、昔は見なかったようなどこか不自然な花ばかりになってしまいました。

怖いのは、そんな花ばかり見ていると、不自然なものが本物で、自然なものはまるでつまらない粗悪品のように見えてきたりしてしまうことです。

この本では、ライオンはかせが間違いに気づき、タンポポの大切さを知ることになります。子どもたちが、そうした答えを自分で出せる世界であり続けることを願います。