郷土文化 通巻90号(さる年にちなんで/木曽代官山村氏宛ての金森長近書状/暮雨巷暁台の門人 白図/尾州小川庄水野姓家譜調査資料抄など)

2019年7月23日

郷土文化 通巻90号
郷土文化 通巻90号
 
■目次
さる年にちなんで…………………….江碕公朗(1)
木曽代官山村氏宛ての金森長近書状………吉田 富夫(11)
暮雨巷暁合の門人(その2)……………..服部徳次郎(15)
尾州小川庄水野姓家譜調査資料抄………..芦田純蔵(25)
『山吹の歩み』あれこれ……………….江碕公朗(34)
書評『山吹の歩み』…………………..吉田富夫(39)
郷土忌辰録(その3 )………………….舟橋寛治(40)
雑報(見学記録・手紙の会)…………………….(42)
名古屋文化史年表稿(11)……………….加藤参郎編(48)
「郷土文化」分類別記事目録(61~90号)……………(56)
 
昭和42年発行 56ページ
附録1枚
 
■内容について
さる年にちなんで」には、さる年に起きた出来事、サルの呼び名、サルのいる動物園、猿の童話・狂言・句集など、猿を冠する固有名詞、猿に関する熟語、猿に関する格言・ことわざ、猿をよんだ和歌、猿をよんだ俳句、猿の川柳いろいろ(秀吉の異称、鵺の異称、猿丸太夫…)があげてあります。
木曽代官山村氏宛ての金森長近書状」は、江戸時代木曽谷の徳川直轄地支配を任された木曽代官で、福島関所の関守を兼ねていた山村家で、徳川家康から信任を受けた山村道祐宛てに書かれた慶長5年と推定される書状です。家康から道祐が白木五千駄を賜るときに、白木の積み出しの任を追った金森素玄が差出人となっています。冒頭部分を引用します。
木曽代官山村氏宛ての金森長近書状
このほど思いもよらず題記する書状一通が手にはいり、いろいろ調べてみると、従来知られている山村氏の一事跡につき、側面からではあるが、そのいきさつを一層明らかにする史料のように考えられるので、ここにあえて紹介の筆をとる次第である。
すなわちその書状とは
猶々白木之事
向後者少もい
らん在之ましき
由被仰出候可有
其御心得候以上
以折帋申候仍而
飛州ゟ出候白木
之事外にそせう
申儀も無之ニ違
乱有ましき由
度而被仰出候若
不審ニ思召候はゝ
其方ゟ可被得御意候
為其申入候恐々謹言
金兵法
十一月廿二日素玄(黒印)
山村道養
御宿所
と読まれる。今これを読み下すと
暮雨巷暁合の門人(その2)」は白図が取り上げられています。
『山吹の歩み』は、山吹小学校のPTA会長を長く務められた江碕公朗氏が山吹学区史として出版されたものです。