郷土文化 第18巻第1号(尾張藩士の宗旨と信仰の自由/永井家書簡集「秋草白露」についてなど)

2020年4月27日

郷土文化 第18号第1号
郷土文化 第18号第1号
 
■目次
名古屋市指定文化財 十一面観音像をめぐって………吉田富夫(1)
尾張藩士の宗旨と信仰の自由……………………新見吉治(5)
永井家書簡集「秋草白露」について………………江碕公朗(15)
大秋町史話………………………………….篠原 薫(23)
守山見学記………………………………….丹羽主税(28)
守山区大森法輪寺の懸仏……………………….吉田富夫(32)
大森寺の庭園………………………………..横井時綱(34)
熱田金山方面見学記…………………………..丹羽主税(35)
彙報………………………………………………(37)
 
昭和38年発行 42ページ
口絵写真 成願寺十一面観音像/成願寺十一面観音足部・大森陶仏・法輪寺懸仏
 
■内容について
「尾張藩士の宗旨と信仰の自由」では、「一、尾張藩士の宗旨分類」で旦那寺の宗旨によって戸数を示したうえで、「ニ、信仰の自由」として「治安を害するもの」として切支丹を禁ずる一方で、徳川家康が「天下国家を保つ者は自分一人の成仏を願ってはならぬ。天下の人民が一人一人成仏できるように八宗十宗を公平に建ておくようにせねばならぬ」(岩淵夜話)と言っているように、多くの宗派が広く認められていた状況について考察されています。この際、マッカーサーによる神道弾圧、明治政府による廃仏毀釈、ニューヨーク州の公立学校における祈祷文斉唱の裁判などにも触れてあります。
 
「永井家書簡集「秋草白露」について」では永井荷風の父永井久一郎など永井家父祖の書簡集である「秋草白露」を秘蔵していた鈴木半右エ門氏から筆者が委託されて永井家に届けることになった経緯や、永井久一郎氏のこと、永井荷風から送られた短冊四点の句などが収録されています。