「 となりのツキノワグマ」(Deep Nature Photo Book) 単行本 – 2010/7 宮崎 学 (著) 、新樹社

自然界の報道写真家が長年のフィールドワークに基づいて明かすツキノワグマの実態

長野県駒ヶ根市在住の写真家、宮崎学さんの本。

1982年から84年にかけて撮影したけもの道にはたった1頭しか写っていなかったクマが、2005年には1か月で10頭も写ったという事実の指摘から始まります。昼間、軽装の人々が行きかっていた遊歩道を夜になればクマたちが通ります。

人家のすぐ近くや、果樹園、養鱒場、養蜂場などに出没するクマ。
植林の森を広葉樹に変えていくクマの活動。
人家や道路のすぐ脇に数多く作られたクマ棚。
捕獲されて食されるクマ。
クマの識別調査を試みたクマクール、マタミール。

この写真集は、長年のフィールドワークに基づき、見せ方を工夫することによって、クマの実態が浮かび上がるように構成されています。
生活史をほとんど研究されてこなかったツキノワグマ。報道写真家の手によって明らかになった姿がここにあります。

ツキノワグマに対する見方が変わる一冊です。