山中で動物と出会った

昨日2019年6月19日、愛知・岐阜県境の山を歩きました。

夕方4時過ぎから広い道を歩き、いったん休憩した後に、5時くらいから山の中の狭い道を歩いて、駐車場まで戻ることにしました。夕方から動物の活動が活発になり、鉢合わせするかもしれないという期待と不安の中で、2度、大きな動物との遭遇がありました。

一度目は私の足音に驚いたらしい動物が、茂みの向こうから逃げていく大きな音がしました。キジくらいの鳥の羽音を聞いたような気もしますが、もっと大きい動物が動いたような印象もありました。近くには、イノシシが土を掘り返したような状態になった部分があったので、イノシシだったのかもしれません。

二度目は動物の姿を目撃しました。山頂から谷底まで急な斜面をつづら折りになって降りる道が続いた後に、少し傾斜が緩くなって比較的遠くまで同じ方向に進む、見通しのきく場所がありました。この場所を少し進んだところ、行く手から急に大きな声が聞こえ、100メートルほど先、私のいる場所よりも低い場所に黒い獣が2頭、急いで崖をかけ登り、崖上の藪に消えていくのが見えました。

2頭は親子で、私の出現に驚いた親が、子どもに向けて警戒の声をかけながら逃げていったような感じでした。ただ、崖の上の藪に入った後そのまま去っていくのではなく、少しの間、同じ声をあげながらとどまっていたのが不思議に感じました。私は、前方に注意しながらリュックサックを下ろし、万一のためにと入れておいた草かきを取り出して手にしたのですが、その間藪の中の声は続いていたので、少なくとも数分間はその場所にいたことになります。

鳴き声は、ホワッホワッホワッとも、クワックワックワッとも聞こえたように記憶していますが、あまりはっきり覚えていません。ただし、イヌの声ともサルの声とも違って聞こえました。ニホンカモシカの笛のような声とも違っていたと思います。

鳴き声が去っていかないので、こちらからもおい!、おい!と呼びかけているうちに、ようやく鳴き声がやんで動物の気配も消えました。

ツキノワグマだとすると、親のように見えた個体は少し小さいような気もしますが、遠くで一瞬見ただけなので、よくわかりません。ただ、その時点ではクマである可能性が強そうだと判断しました。

帰ってきて調べてみましたが、ツキノワグマの親が子グマを緊急避難させるときの声というものはネット上で探せませんでした。ただ、私が行った山はクマの生息域からはかなり距離があるので、クマではなかったかもしれません。

山で見た瞬間には、動物は横腹を見せていて犬かなと思ったことを覚えています。そのすぐ後に急な崖をまっすぐ上っていく姿は犬とは違って見え、するすると登っていくように見えました。ニホンカモシカには黒い色の強い個体もいるうえ、この山にも生息しているとのことなので、ニホンカモシカだっかかもしれません。ただし、こちらも私が聞いたような声を収録した動画や音声ファイルは見つけることができませんでした。

こうして、一人で山を歩いているときに、大きな動物と出会うのは初めての経験でしたので、あわててしまって追い払うことだけしか考えつきませんでした。差し迫った身の危険があるような状況でもなく、スマホも持っていたので、声だけでも録音する余裕があったらと後になって思いました。

危険がなければ落ち着いて行動し、万一危険が迫るようであれば、気迫を込めて立ち向かうしかない。それが私が現時点で考えている教訓です。なかなか良い機会を得ました。