自然農の畑と自然生態園

自然農の畑には、たくさんの虫がいる。チョウ、トンボ、バッタ、カマキリ、クモ、テントウムシ。自然農の畑には、トカゲやカタツムリも住んでいる。

 

自然生体園には、親に連れられた小さい子どもたちや、アメリカザリガニ釣りを目的とした大人たちが思い思いにやってきてタモや釣竿を使って楽しんでいる。手入れをしすぎていないおかげで、いろいろな植物が生えている。

 

自分の家で消費しきるくらいの少量の野菜を自然農の畑で作りたいと考えたり、自然の林に近い状態の山からイモやクリを収穫するようにしたいと考えたりしたとき、すぐにぶつかるのが法律と金の壁である。

 

農地を購入するには本格的に農業を営んでいなければならない。広大な農地を所有する必要があり、しかも、その農地は荒れた状態にしてはならず、手入れを怠っていてはならない。利益の出ない自然農の畑など、所有させないと言わんばかりである。

 

山を畑のように使いたいと思っても、南向きの山が売り出されることはほとんどなく、売りに出されるとしても広大かつ高額であるため、やはり庶民が手を出すのはむずかしい。

 

街の公園の多くが自然生態園として活用されていれば、人々が自然と親しむ機会が増え、虫を毛嫌いするのではなく、虫が住んでいる環境のすがすがしさを感じることができるだろう。

 

土地を経済活動に活用しなければならない世界ではなく、生態系を壊してでも経済活動や人道的な選択をしなければならない世界でもない。そんな世界でなければ、自然を守ることなんてできやしない。