郷土文化 第6巻第2号(士林泝洄/明治二十年頃の名古屋/内藤丈草伝考察など)

2019年5月13日

郷土文化 第6巻第2号
郷土文化 第6巻第2号

目次

「士林泝洄」の研究…………………………..市橋 鐸(1)
名古屋回顧……………………….新見吉治(14)・粟田元次(19)
内藤丈草伝新考………………………………柴田貞一(25)
大平と篤胤………………………………….築瀬一雄(35)
岩倉の古文化………………………………..岩倉史談会(38)
密藏院佛像研究………………………………中野楚溪(48)
瀬部古文書………………………………….森德ー郞(50)
芸術祭古典芸能評…………………………….鬼頭素朗(51)
鄕土見学………………………….庄司七朗(54)・安藤直太朗(58)
彙 報 (62)
編集後記(64)

昭和26年発行 64ページ

内容について(ピックアップ)

「士林泝洄」の研究」では、尾張藩士の系譜を集めた系図資料で藩初から中期に至る諸士の家格・家紋・家系・履歴などが整然と記載され、中途で途絶した家もほとんどもれなく収められている士林泝洄(しりんそかい)について、(一)編集過程、(二)内容、(三)書誌学的解説、(四)むすびの項立てによって説明されています。元禄八年に尾張藩で先祖書および親類書を提出させたときの御触書全文が収録されています。

名古屋回顧」は小学校からの学校生活の経験を中心とした「明治二十年前後の名古屋」と、明治23年に発行された資料から当時の名古屋の様子や出版の状況を調べた「明治二十三年の刊行物と名古屋」で構成されています。後者には、廃仏毀釈に対する反抗の暴動を詳記した「三河大浜廻瀾始末」に言及あります。また、中央集権化によって、天下に著名な刊行物がほとんど東京からしか出版されなくなり、地方文化が低下したことを嘆く一文も記されています。

岩倉の古文化」は「先史時代の岩倉」「生田と岩倉国衛」「岩倉城について」「長福寺考」の4項目です。