郷土文化 通巻141号(尾張藩御文庫と御書物奉行/三富士愛/愛知社・愛育社の創立など)

2019年4月14日

郷土文化 通巻141号
郷土文化 通巻141号

目次

尾張国海部郡の郷域と馬津駅について…………….三渡俊一郎(1)
式内社立野神社(丹羽郡)の鎮座地の問題…………..木立英世(15)
定光寺開山覚源禅師とその帰依者………………..春田豊一(17)
春江院所蔵正法眼蔵写本とその周辺………………山ロ 茂(22)
尾張藩御文庫と御書物奉行……………………..横井在時(30)
小松検校……………………………………服部鉦太郎(46)
「三富士合」について…………………………寺島初美(52)
愛知社・愛育社の創立一名古屋市史の誤述について―..水谷盛光(66)
名古屋文化史年表稿(39)……………………….加藤参郎(73)
郷土関係資料紹介(1)貸本屋大惣…………………鶴舞中央図書館(80)

昭和60年発行 80ページ

内容について

「尾張藩御文庫と御書物奉行」では、尾張藩祖徳川義直が家康から譲られた駿河御譲本約三千冊を中心に、名古屋城二之丸に創設し、現在の名古屋市蓬左文庫の前身となった「尾張藩御文庫」の成立や建物の位置の推測などを示した後、御書物奉行について詳しく記されています。項立ては次のとおり。

一 御文庫について
二 御書物奉行について
1 御書物奉行設置以前
2 御書物奉行の設置
3 御書物奉行免転没年表
4 御書物奉行の略歴
5 御書物奉行以外の関係者たち

「小松検校」では、明治4年に当道が廃絶したことで衰退した盲人伝承による平曲を名古屋で残すことに大きな役割を果たした吉澤検校審一の弟子で、弘化4年(1847)生まれの小松景和検校の生涯、覚王山墓地に建立された碑(大伴写真と参列者一覧を含む)、小松検校の編集による書冊の一覧、余談と参考文献が示されています。

「「三富士合」について」では、文化六年(1809)卓池選による松兄の追善集で『枇杷園士朗続七部集』に収録されている「三富士合」の全文が収録されています。

「愛知社・愛育社の創立一名古屋市史の誤述について」では、通巻156号と同じく愛育社の設立が後であると指摘してあります。

「郷土関係資料紹介(1)貸本屋大惣」は「愛知百科事典」からの引用と、大惣本の印の写し、関連文献一覧という2ページのみの項目です。