郷土文化 通巻157号(金沢尾張町/子供の墓/「新編尾張藩家臣団の研究」の紹介など)

2019年3月31日

郷土文化 通巻157号
郷土文化 通巻157号

目次

市制百周年
金沢尾張町と名古屋荒子のルーツを探る…………..山田寂雀(1)
尾張藩横須賀代官所の組織……………………..柴田 尊(5)
東海道鳴海宿の御茶壺道中……………………..榊原邦彦(12)
天狗党と尾張藩………………………………植松 茂(17)
青松葉事件を巡る人々…………………………安藤慶六(22)
愛知県で発行された明治の雑誌補遺………………林 眞(30)
子供の墓……………………………………木立英世(36)
幻の米 赤米…………………………………江碕公朗(38)
きょうの郷土史稿(10) 五月(下)…………………服部鉦太郎(42)
〔新刊紹介〕「新編尾張藩家臣団の研究」…………水谷盛光(61)
「宇都宮氏系図」(復刻)………………………………(62)
〔解説〕「宇都宮氏系図」について………………水谷盛光(108)

平成2年発行 109ページ

内容について

「「宇都宮氏系図」(復刻)」がページ数の4割を占めています。

「金沢尾張町と名古屋荒子のルーツを探る」では名古屋市域で生まれた前田利家が金沢の城下町を建設するにあたって、武家に必要な物資や道具の生産・運搬のために尾張の荒子から人々を呼び寄せたという経緯が記されています。目次の「菓子」は「荒子」の誤りです。尾張町の郷愁風景にも同様の内容が記されています。

「子供の墓」には、韓国・光州市で死んだ子を山に埋めにいく人を知人が見かけたことから、子供が死んだ場合には墓を作らない風習が韓国に残っていると知り、尾張地方での例を調査してあります。この辺りについては、『間引きと水子―子育てのフォークロア』に詳しく記されています。

「〔新刊紹介〕「新編尾張藩家臣団の研究」」では、昭和50年に発行されてすぐに品切れとなり入手困難になっていた『尾張藩家臣団の研究』が国書刊行会から新編として発行されたことを受けて、内容が紹介されています。再版にあたり「「成保の高概」の事例研究」「享保期尾張における芸能興行について」「尾張藩「木曽衆」考」「尾張藩藩士の婚姻と家格」の4編と、「泥江邑隠士「手きね」林 英夫」の資料が追加されているそうです。